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人生とオムレツは、タイミングが大事
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 千年前。
 ぴんとこなくて、調べてみたら、「源氏物語」が完成したのが、ちょうど千年前、1010年のことだとか。

 はるかの昔より、立ちそびえる大樹。
 その樹に寄る人間は、時代を越えて、つながり、あるいは、くりかえし、もちろん、当人たちは、そんなこと、知る由もなく。
 ずっと立ち続ける樹と、その周りで、入れ替わり立ち替わる人間。実は、同じようなものなのかも。
 “子盗りの木”と呼んだり、天然記念物に指定したり、人が樹に対する扱いは、時代によって、真逆のようで、実は同じ、樹への畏怖の念と、それを利用した計算。樹が変わらないのといっしょ、人間も変わっているようで変わらない。
 そんな人間を、樹は、助けることなく、見守るでもなく、ただ、見つめるのみ。すべては、人による、人の営み。

 7つの短編は、それぞれで、時代を違えたふたつの物語が並行して語られ、そのうちの現代のパートでは、短編同士で登場人物がリンクしながら時が進んでいく、複合的な構成。大河のような大きなスケールと短編ならではの切れの良さが、うまく融合しているように感じました。
 いつもの荻原さんの味わいとは、ちょっと、違って、なんというか、どんよりと重い雰囲気が漂うけれど(そうでない話もあります)、読みごたえがあり、面白さは、いつもの荻原さんでした。
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