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人生とオムレツは、タイミングが大事
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 以前、外回りをやってた頃に、昼食を食べに、よく行っていた喫茶店。
 その仕事を離れてからは、行く機会がなく、もう、15年くらいは経つだろうか。
 たまたま、その近くに行く用事ができて、それが、たまたま、昼時だったので、ひさしぶり(と簡単にいうけど、15年ぶり!)に、行ってみることにした。
 本当は、用事は、そこでなくてもいいのを、わざわざ、そこにして、時間も、わざわざ、昼時にしたのだけど。

 その喫茶店は、住宅地の中にある、個人経営の小さな店で、ひょっとしたらもう店を閉めてるかも、なんて、失礼なことを思いながら、店の前に行ったら、しっかりと営業中。感無量…。
 ほっとして、ガラス越しに店内をちらりとのぞくと、ひとりだけど、お客さんもいるよう。
 一見でふらりと入るような雰囲気の店ではなく、一見じゃないけど、なにせ15年ぶり、実をいえば、逡巡もあったのだけど、せっかく、ここまで来たのだからと、店の周りを一周した後、意を決して、扉を開けた。

 からんころん、と鳴る鈴の音。
 あの頃と同じだ、と、懐かしさを感じてたら、出てきたマスターが、まるで変わってないのに、びっくり。この人はいくつなんだろう。当時は、いくつだったんだろう。
 内装やテーブルも変わってないようにみえ、なんだか、嬉しくもあり、不思議な戸惑いも、少し。きっと、ここは、時間が穏やかに流れてる。

 当時あったランチメニューがなく(13時を過ぎてたから下げたのかもしれないけど)、注文は、ジャムトーストとミルクティー。
 ひとりだけいたお客さんは、すぐに出て行き、店の中は、自分とマスターだけ。緊張する状況かなあ、なんて思ったけど、そんなこともなく、雑誌を読んで待ってるうちに、しっくりとなじんできて、なんというか、ここには、確かに、自分の過ごした時間があるんだなあ、と思った。

 自分が通ってた頃は、職場の同僚も、たくさん、来ていて、昼時は、いつもにぎわっていたけど、その職場も、時勢もあって、だんだんと人が減っていき、もちろん、そのせいだけではないだろうけど、この日は、静かな店。変わってないもの、そして、変わってるもの。
 あの頃は、しゃべったり、雑誌を読んだりして、平気で1時間くらいは居座ってたものだけど(汗)、この日は、それなりに忙しかったし、なにより、ひとりだったし、30分もたたないうちに、退散。少しは、成長したかな。

 お勘定の時、マスターに、“昔、よく来てたんですよ”って、言おうかと思ったけど、なんだか、それも野暮なような気がして、普通に代金を払って、普通に“ごちそうさまでした”と言って、店を出た。
 次に来たときはサンドウィッチを食べよう、と思い、でも、“次”なんて、きっと、ないってこともわかってる。
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 知ってて書いてるのか、知らないで書いてるのか、知らないけど、
 ああ、そんな風に書いちゃうんだ、と。

 公的判断もでてないうちに決めつけるのは、
 判断にバイアスをかけたいんじゃないかと、うがった見方をしてみたりして。

 確かに、ペンは剣よりも強いのかもね…。
 大学のときゼミでお世話になった教授が亡くなられたと、当時のゼミ仲間が、留守番電話で伝えてくれた。
 享年80歳。早すぎるという年齢ではないのかもしれないけど、昔の颯爽としたお姿を思うと、とても不思議な気がする。あの頃から流れた時間が、急に、重たく感じられた。

 ダンディという言葉がぴったりの、かっこいい先生だった。足を悪くされていて、杖を使われていたけど、それさえも、様になっていた。
 話をされるのがお好きで、ゼミは、毎回、時間オーバー。その後は、皆で、食事に行ったりして、話が好きというか、学生と接するのが、お好きだったのだろう。いつも笑顔で、楽しそうにされていたのを思い出す。本当は、その分野の第一人者で、知る人にとっては、雲の上のそのまた上の存在のような方なのだけど。

 自分は、ゼミ長をやっていて、といっても、ジャンケンで負けたからで(笑)、活発なメンバーの多かったこのゼミの中では、むしろ、地味な存在だった。おそらく、先生が受け持たれた、数多いゼミの中でも、かなり、印象の薄いゼミ長だろう。残念ながら。ジャンケンに負けたが故のこととはいえ、先生の期待に応えられなかったことは、非常に申し訳なく思っている。

 卒業した後も、ゼミの交流はあって、でも、だんだんと疎遠になってしまい(ひとえに自分のせいなのだが)、最後に先生にお会いしたのが、いつだったか、どんな機会だったか、恥知らずなことに、思い出すことができない。気がつけば、ずいぶんと、時間は経ってしまった。
 どこまでも、だめなゼミ長、それどころか、だめなゼミ生で、我ながら、情けない。
 それでも、先生のゼミで過ごすことができた時間は、自分の中に、大切なものとして、残っている。そして、おこがましいかもしれないけど、これからも、ずっと、誇りにしたいと思う。

 ありがとうございました。
 心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 駅が、あまりにも変わっていて、びっくり。

 でも、あの場所は、
 変わらない緑と、変わらない風。

 動いているもの、
 止まっているもの。

 それでも、時間は、
 きっと、同じだけ、流れている。
 2年前のこの日と、感情的には同じ、でも、実態としては、真逆の手続きをしに(正確には一日違いだけど)。

 胸は、もちろん、痛くて、でも、2年前ほどではないのは、なんでだろう…。手続きとしては、今回の方が後ろ向きで、圧倒的に、取り返しがつかないはずなのに。
 2年もあれば、それなりに、成長するってことなのかな。あきらめも、成長のうちだとするならば。
 もしくは、考えすぎて、気持ちが麻痺してるのかも。単に、事の重大さが理解できていないだけ。
 だとすれば、このまま、麻酔が切れないでいてくれるといいんだけど。

 2年前も、確か、曇り空。そして、確か、桜が、とても、きれいに咲いていた。
 同じ場所に行ってみたら、今年は、まだ、二分か、せいぜい、三分咲き。
 あれ…?
 本当に、2年前は満開だったんだろうか…?なんだか、記憶があやしくなってきた。記憶なんて、いつだって、都合良く、書き換わるものだから。
 でも、きっと、それでいいんだと思う。正しい記憶が、いつだって、正しいとは限らない。

 あの満開の桜、どれくらいの時間が経てば、散るんだろう。
 どれくらいの時間が経てば、思い出になるんだろう。
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[10/04 山手のドルフィン]


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