忍者ブログ
人生とオムレツは、タイミングが大事
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 「丸かじり」シリーズ、第25弾です。

 時は2005年、BSE問題に牛肉業界が揺れていた頃。
 1年もの長きに渡って姿を消していた吉野家の牛丼が、1日だけ復活するというその日、朝からそわそわの東海林さん。店が空くであろう午後3時を狙って行けば、まだ並ぶ行列に、いったん、退却。再びのチャレンジは午後4時、ひとつ空いた席をすばやく確保、ついに、突入。興奮で高鳴る鼓動にカタカタ鳴る足。
 注文は、一言、「並」。普段なら、お新香に味噌汁もつけるのに、なにせ、1年ぶりの牛丼復活、朝から忙しいはずの店員を慮って、余計なものは頼まず、我慢。なんという、吉野家愛。
 が、しかし。空気を読まない隣の青年、のんきに、「大盛り、ツユダク、卵にお新香」。
 それを聞いた東海林さんの怒るの怒るまいの(もちろん、心の中で)。足のカタカタ、さらに激しく、その怒り、いかばかりのものか。

 これ、当時の国民の大多数(やや、おおげさ)が、こんな感じでしたね。いや、隣の青年を糾弾したりまではしなかったと思うけど。
 その後、3年を要して、完全復活した吉野家の牛丼、しかし、現在は、価格競争に巻き込まれて、苦戦の印象は否めず…。
 あの熱気を取り戻すことはできるか、がんばれ、ヨシギュウ!…といいつつ、最近、ツユダクのツユ、少ないような気がするぞ、と苦言など。

 その他、心ひかれたのが、うなぎの立ち食い、というか、うなぎで飲める立ち飲み屋。そのうなぎ、なんと、一串100円か150円!!こんなお店でさらっと飲める、粋な大人になりたいものです。
 …と思って調べてみたら、この店、いまでは、主人が変わって、うなぎをリーズナブルに、というのは変わらないけど、立ち飲みではない、普通の飲み屋にリニューアルされているようで。ちょっと、残念。
PR
 7月17日、競馬は首都圏を離れていて、この日の東京競馬場は、パークウインズ。
 開催のない競馬場に来るのは、ずいぶんとひさしぶりのこと、目的は、競馬ではなく、オグリキャップ追悼の献花台。競馬場に、花とにんじんを持って来ることがあるなんて、思ってもみませんでした。

   - ☆ ・ ☆ ・ ☆ -

 東京競馬場でオグリキャップをみたのは、89年の毎日王冠、ジャパンカップ、90年のジャパンカップ、そして、一昨年秋のお披露目のとき。それ以外にオグリキャップをみたのは、89年、中山競馬場のオールカマーだけなので、自分にとって、オグリキャップの思い出といえば、東京競馬場なのです。
 中でも、いちばん印象に残っているのは、やはり、89年のジャパンカップ。

 当時のジャパンカップは、外国馬断然優勢(そんな時代もあったのです)。その中を、直線、敢然と、ホーリックスを追ってくるオグリキャップ。スタンドのヒートアップは、それはもう、すごかった。自分の叫ぶ声も聞こえないほどの大歓声。
 わずかに届かなかったオグリキャップに天を仰ぎ、しかし、タイムの 2'22"2 に驚き、ターフビジョンで流れるリプレイの2頭並んだゴールの大写しに湧き、レースが終わっても競馬場の興奮はさめやらず。
 やがて、戻ってきたホーリックスに、スタンドから、期せずしての大拍手。派手なウイニングランをしたわけではなく、普通にダートコースを戻ってきただけなのに、みんな、しっかりと見ていました。待っていました。
 そして、続けて戻ってきたオグリキャップに、さらにすごい、まさに割れんばかりとしか言い様のない、大々拍手。
 中穴の結果に、馬券をとった人は、そう多くはなかったはず。それでも、史上に残る名勝負に、競馬場全体が、心から、ホーリックス、そして、オグリキャップを称えていました。

 懐古主義といわれるのは承知の上、あの頃の競馬場は、よかった。
 鉄火場のイメージはやわらぎつつあり、ミーハー(失礼(汗)!)の流入もそれほど多くはない頃。ファンファーレでの手拍子もないし(いまだに好きになれない…)、レース後のコールもないけど(これは時と場合による)、純粋に、“競馬”自体が盛り上がっていた時代だったと思います。
 そして、自分にとって、オグリキャップは、時としていわれる“バブルの申し子”なんかでは、決して、なく、この古き良き競馬の時代の象徴であり結晶なのです。

 あのジャパンカップの日、東京競馬場にいることができたのは、本当に幸せでした。

   - ☆ ・ ☆ ・ ☆ -

 そんな思い出にふけりつつ、献花台の前に立ったのは、早い時間、まだ、1Rが始まる前。
 それでも、すでに、素敵な花が置かれていて、比べると、自分の花は、あまりにつつましく、恥ずかしいので、端っこの方へ。記帳簿には、献花台の前に飾られたポスターの言葉と同じ言葉を残してきました。

 さて。
 目的が競馬ではないといいつつ、競馬場に来て競馬をしないで帰れるほど人間ができているわけは、もちろん、ないわけで。
 最初は午前中で帰るつもりが、普段は行かない4コーナーの方や内馬場に行ってみたり、普段は買う余裕のない岩手競馬の馬券も買ったりして、馬のいない競馬場を、しっかりと堪能、結局、いつも通り、最終レースまでいたのでした。よく晴れた中、人気のないスタンドで、風に吹かれながら、のんびりと飲むビールがおいしかった(笑)。
 馬券は、いつもより、さらにささやか、16Rで1,600円使って、12R的中(!)1,820円の回収。オグリキャップへのにんじん代くらいにはなったかな。

 花を置いた後も、時々、見に行った献花台は、並ぶまではいかないけれど、大抵、花を置いたり記帳したりする人がいて、最終レースが終わる頃には、台いっぱいの花。
 オグリキャップは、いつまでも、オグリキャップです。
 そのニュースを知ったのは 2ch、高橋源一郎さんが twitter でオグリキャップの死を悼んだというスレッド。
 間違いではないかと(高橋源一郎さんには失礼だけど)、いろいろと情報を探しているうちに、やがて、YAHOO! のニュースにも一報が。
 呆然でした。

 オグリキャップのことは、最初から好きだったわけではありません。
 笠松で12戦10勝、とはいえ、いまほど、競馬の情報が全国的に伝わっている時代ではなく、関東在住の身にとっては、全くの無名馬。しかも、名前が、“かっこいい”というわけでもなく(汗)。
 中央転入から重賞6連勝、強い馬だという認識はできつつ、天皇賞・秋に始まる、タマモクロスとの「芦毛対決」では、失礼ながら、あくまで、タマモクロスの敵役という解釈。
 ただ、失礼とはいいつつ、その解釈は、おそらく、当時の競馬ファンの多数派だったと思われ、その時点では、オグリキャップは、どちらかといえば、玄人好みの馬という感じだったはずです。

 最後の「芦毛対決」、有馬記念で、念願の打倒タマモクロス、しかし、その後、故障で休養。
 翌秋に戻ってきたオグリキャップに対して、最初に思っていたのは、タマモクロスに勝った以上は(しょうがないから)がんばってもらわねば、という、相変わらずの失礼。
 それが、現地でみた復帰初戦のオールカマー、ゴムマリのように弾む馬体とうなる気合、何より、発散されるオーラに、印象度、やや、アップ。
 そのオールカマーをレコード勝ちして、毎日王冠のイナリワンとの壮絶な叩き合い(これも現地でみてた。すごかった!)、前が開かない直線、やっとのことででてきてスーパークリークを猛追もクビ差及ばずの天皇賞・秋(南井騎手のステッキが何発乱打されたかが話題に(笑))、届きそうもない位置から大逆転、内からバンブーメモリーをハナだけとらえきったマイルチャンピオンシップ(“バンブーが逃げた、オグリが負けられない、オグリが内から掬う、内を掬う、内か外かぁ、わずかに内か!”)、そして、仰天の連闘で臨む、ジャパンカップ。
 このすさまじく濃密なキャンペーンに、ジャパンカップをむかえたときには、他に絶対的に応援する馬がいながら、オグリキャップにもがんばってもらいたいという気持ちが、少し(まだ、失礼)、でてきたのでした。

 仰天の連闘は、驚愕の結末へ。
 とんでもないハイペースから、直線、1頭抜け出したホーリックス、それに追いすがってきたのも、ただ1頭、それは、1番人気のスーパークリークでも凱旋門賞馬のキャロルハウスでもなく、えっ、オグリキャップ!?
 このジャパンカップ、東京競馬場でみていました。
 つい先週、京都で激闘を演じたばかりのオグリキャップ。そのオグリキャップが、ホーリックスめがけて、迫る、迫る。常識が吹き飛ばされた瞬間。思わず、声を限りに叫んでいました。
 迫って、迫って、クビまでつめたところで、ゴール。2着。掲示板には、「レコード」の赤い文字と、2分22秒2という数字。世界レコードでした。
 レコードホルダーになるのは、勝ったホーリックス。しかし、オグリキャップもまた、同じタイムで走ったのです。この秋5戦目で、しかも、連闘で。
 もう、オグリキャップに対する失礼は、なくなっていました。

 地方からきた“野武士”が中央の“エリート”を倒す。オグリキャップの人気が解説されるときに、よく使われる構図です。
 しかし、オグリキャップの人気は、そんな単純な図式のみで語られるべきものではありません(もちろん、まったく関係ないとはいわないけれど)。
 オグリキャップは、間違いなく、自身の走りそのものによって、人の心をつかんだ、いや、“グイ”と力強くたぐりよせた馬でした。間違いなく。

 我ながら意外に思えたのが、オグリキャップの死を知ったときに感じた、深い喪失感でした。
 オグリキャップより好きな馬も、少なからず、いるし、あの奇跡のラストランは、もう20年も昔。“オグリキャップなんて、いまさら”だと思っていたのに、決して、そうではなかった。
 オグリキャップの存在は、自分にとって、そして、競馬にとって、大きな大きな存在でした。
 それは、これからも、ずっと。

 どうか、やすらかに。
 ありがとう。
 アーネストリー、残念!
 果敢な先行策から、直線、堂々の、早め先頭。初GⅠでも、怯むことなく、自分の競馬ができました。
 内容は文句なし、強い競馬だったけど、欲をいうなら、ブエナビスタを抑えてほしかった。
 ただ、これまでも、ひとつずつ、ステップを上がってきた馬。GⅠ初挑戦で3着なら、上出来ともいえるわけで、この健闘が、近いうちのGⅠ制覇につながるはずと、そう信じています。

 ブエナビスタは、有馬記念同様、再びの先行策。前へいけたということは、状態が上がっていたということでしょう。粘るアーネストリーを交わして、しかし、外から、もう1頭。牡馬の壁は、厚かった。
 確かに先行しても安定しているけど、あの後方一気の強烈な脚も、特に、壁を破るためには、捨てがたいような気もするのですが。
 とはいっても、ついこの間まで、ウオッカがいたからハードルが上がっているだけで、この馬も、十二分に強い牝馬です。

 人気のブエナビスタ、アーネストリーが期待通りの競馬をして、しかし、その2頭を倒したのが、なんとびっくり、8番人気のナカヤマフェスタ。
 あっという間に馬場の真ん中を駆け抜けていった脚は、レースの重心が前にあって後方待機がはまったと決めつけるには、あまりに軽やか、夏を彩る一陣の風のごとく。ここは、素直に、強かった。
 パドックでは、ピンとこなくて印象に残っていただけに(変な言い方だけど)、脱帽です。
 柴田善臣騎手は、4年3ヶ月ぶりのGⅠ制覇。今年は、横山典騎手といい、蛯名騎手といい、関東のこの世代の騎手が復権していて、うれしいです。

 中1週で覚醒するはずだった(と勝手に思っていた(笑))セイウンワンダーは、16着…。
 4kgとはいえ、馬体はシェイプアップしていて、前走以上のパフォーマンスを期待、積極的に前にいったのもいいと思ったのですが、早々のギブアップ。
 あまりにあまりの大敗は、もっとじっくり構えた方がよかったのか、稍重の馬場が合わなかったのか、それとも、やはり、間隔を詰めて使うとよくないのか。
 本来なら、今年は、あまり走ってないし、夏競馬を使って賞金を稼いでおいた方がいいのかもしれないけど、さすがにこの大敗はショックなので、ここは、ゆっくり休んで、秋に備えてほしいような気がします。

 馬券は、アーネストリーの複勝が少しだけで、大敗。
 こちらも、ゆっくり休んで、秋に備えることにします(休めるかな…)。
 「ハードボイルド・エッグ」に続き、私立探偵最上俊平が難事件に立ち向かう、第2弾。
 今度のターゲットは、ロシアンブルー…、って、猫??
 …。やっぱりね。

 自分は断じてペット探偵ではないというけれど、営業努力は「ハードボイルド・エッグ」の頃より上だし(ヘルプ・ニャー(笑))、捜査手法も格段に進歩していて(数々のペット捜索のノウハウや推理には素直に感服)、ハードボイルドな私立探偵として生きるのも、どうやら、楽ではなさそう。

 今回の仕事も、いつものように(失礼(笑))、失踪した猫の捜索。
 ちょっとだけ特筆することがあるとすれば、依頼人が美女だということと、猫が高価なロシアンブルーだということ。…くらいだったはずが、すぐさま翌日、違う依頼主から、またもや、ロシアンブルーの捜索願いが。
 「全国でロシアンブルーが一斉蜂起しようとしているのだろうか」
 ついでに、その依頼主、どうみても、ヤ・ク・ザ。
 2匹(?)のロシアンブルーと美女とヤクザに、頭を悩ませる最上俊平。

 もうひとつ、最上俊平の悩みの種が、新たなパートナー、村島茜。
 ブロンドで青い目の若い女性というふれこみは、前任者片桐綾のナイスバディと違って偽りではなかったけれど、「ディスカウントが売り物のドラッグストアあたりに並んでいる安価なヘアカラーで染めたものに違いない」「とうもろこしのひげのよう」な金髪に、瞳は「もともとの目の色を隠しきれていないカラーコンタクトレンズ」の「くすんだダークブルー」、そして、年齢は「やぎ年」(笑)の16歳。ちなみに、高校は自主休学中?こちらも、ハードボイルドとは、ほど遠いようで。

 が、しかし。
 空腹時のキャットフードの前では、あっけなく崩れさる職業倫理も、守ると決めた人の前では、崩さない。
 どんな困難にも(多少、腰がひけつつも)立ち向かい、普段は人を怒らせる(もしくは、笑わせる)ハードボイルドチックなセリフを、ちゃんと決めてみせる瞬間は、なかなかに、かっこいい。相手に届いているかどうかは疑問だけど。

 “If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.”

  ポン引きにあっさりやられたり、ヤクザの前では声がかすれたり、はたまた、刑事と仲が良かったり(?)もするけれど、ハードボイルドに必要なのが、やさしさならば、最上良平、間違いなく、一級品。人にも、犬にも、猫にも。

 笑って泣けるハードボイルドとして、ハードボイルド小説の金字塔と断言したいこのシリーズ(他のハードボイルド読んだことないけど)。第3弾、熱望です!
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
[10/04 山手のドルフィン]


忍者ブログ [PR]