忍者ブログ
人生とオムレツは、タイミングが大事
[216]  [215]  [214]  [213]  [212]  [211]  [210]  [209]  [208]  [207
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 「ハードボイルド・エッグ」に続き、私立探偵最上俊平が難事件に立ち向かう、第2弾。
 今度のターゲットは、ロシアンブルー…、って、猫??
 …。やっぱりね。

 自分は断じてペット探偵ではないというけれど、営業努力は「ハードボイルド・エッグ」の頃より上だし(ヘルプ・ニャー(笑))、捜査手法も格段に進歩していて(数々のペット捜索のノウハウや推理には素直に感服)、ハードボイルドな私立探偵として生きるのも、どうやら、楽ではなさそう。

 今回の仕事も、いつものように(失礼(笑))、失踪した猫の捜索。
 ちょっとだけ特筆することがあるとすれば、依頼人が美女だということと、猫が高価なロシアンブルーだということ。…くらいだったはずが、すぐさま翌日、違う依頼主から、またもや、ロシアンブルーの捜索願いが。
 「全国でロシアンブルーが一斉蜂起しようとしているのだろうか」
 ついでに、その依頼主、どうみても、ヤ・ク・ザ。
 2匹(?)のロシアンブルーと美女とヤクザに、頭を悩ませる最上俊平。

 もうひとつ、最上俊平の悩みの種が、新たなパートナー、村島茜。
 ブロンドで青い目の若い女性というふれこみは、前任者片桐綾のナイスバディと違って偽りではなかったけれど、「ディスカウントが売り物のドラッグストアあたりに並んでいる安価なヘアカラーで染めたものに違いない」「とうもろこしのひげのよう」な金髪に、瞳は「もともとの目の色を隠しきれていないカラーコンタクトレンズ」の「くすんだダークブルー」、そして、年齢は「やぎ年」(笑)の16歳。ちなみに、高校は自主休学中?こちらも、ハードボイルドとは、ほど遠いようで。

 が、しかし。
 空腹時のキャットフードの前では、あっけなく崩れさる職業倫理も、守ると決めた人の前では、崩さない。
 どんな困難にも(多少、腰がひけつつも)立ち向かい、普段は人を怒らせる(もしくは、笑わせる)ハードボイルドチックなセリフを、ちゃんと決めてみせる瞬間は、なかなかに、かっこいい。相手に届いているかどうかは疑問だけど。

 “If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.”

  ポン引きにあっさりやられたり、ヤクザの前では声がかすれたり、はたまた、刑事と仲が良かったり(?)もするけれど、ハードボイルドに必要なのが、やさしさならば、最上良平、間違いなく、一級品。人にも、犬にも、猫にも。

 笑って泣けるハードボイルドとして、ハードボイルド小説の金字塔と断言したいこのシリーズ(他のハードボイルド読んだことないけど)。第3弾、熱望です!
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
[10/04 山手のドルフィン]


忍者ブログ [PR]