人生とオムレツは、タイミングが大事
あの日に戻って、やり直せたら…。
銀行のエリートコースにいたはずなのに、ちょっとした一言で会社を辞めることになり、ちょっとした思いつきでタクシードライバーをやることになり、仕事も家庭も、なんだか、うまくいかず、頭に浮かぶのは、“あのとき、曲がり角を間違えなければ、もっといい人生になっていたはず”の、空想の自分の姿ばかり。
人生は、所詮、運。
客が拾えるかどうか、しかも、その客が“ロング”かどうかなんて、曲がり角を、右に曲がるか左に曲がるかで決まる、あてのない偶然。
そんな風に、半ば投げやりに考えていた主人公は、やがて…。
いろいろな作風をもつ荻原浩さんのこと、やたらと、昔を懐かしんだり、あるべき(?)自分を空想したりする主人公に、ひょっとしたら、タイムスリップとかパラレルワールドとか、そんな話になるのかと思いきや、そういうわけではなく。
繰り返される日常と空想(いや、妄想(笑))との行ったり来たりの中で主人公が気づくものは、派手な舞台仕掛けはないけれど、というか、ないからこそ、自然に、しみじみと伝わってきます。
人生は、所詮、運。
だけど、あてのないようにみえた偶然も、よくよく考えれば、実は必然だったりするし、たとえ、必然じゃない偶然でも、起きてしまえば、それが、必然。いいことも悪いことも。
だから、無数にある曲がり角、すでに必然になった偶然よりも、次の偶然を必然に。
登場するいろいろな乗客や上司や同僚、家族のエピソードが楽しく、最後に用意された、ささやかな(本当にささやかな)“逆転劇”も相まって、大きなストーリー展開はないのに印象に残る、荻原さんらしい、後味のいい読後感の一冊でした。
銀行のエリートコースにいたはずなのに、ちょっとした一言で会社を辞めることになり、ちょっとした思いつきでタクシードライバーをやることになり、仕事も家庭も、なんだか、うまくいかず、頭に浮かぶのは、“あのとき、曲がり角を間違えなければ、もっといい人生になっていたはず”の、空想の自分の姿ばかり。
人生は、所詮、運。
客が拾えるかどうか、しかも、その客が“ロング”かどうかなんて、曲がり角を、右に曲がるか左に曲がるかで決まる、あてのない偶然。
そんな風に、半ば投げやりに考えていた主人公は、やがて…。
いろいろな作風をもつ荻原浩さんのこと、やたらと、昔を懐かしんだり、あるべき(?)自分を空想したりする主人公に、ひょっとしたら、タイムスリップとかパラレルワールドとか、そんな話になるのかと思いきや、そういうわけではなく。
繰り返される日常と空想(いや、妄想(笑))との行ったり来たりの中で主人公が気づくものは、派手な舞台仕掛けはないけれど、というか、ないからこそ、自然に、しみじみと伝わってきます。
人生は、所詮、運。
だけど、あてのないようにみえた偶然も、よくよく考えれば、実は必然だったりするし、たとえ、必然じゃない偶然でも、起きてしまえば、それが、必然。いいことも悪いことも。
だから、無数にある曲がり角、すでに必然になった偶然よりも、次の偶然を必然に。
登場するいろいろな乗客や上司や同僚、家族のエピソードが楽しく、最後に用意された、ささやかな(本当にささやかな)“逆転劇”も相まって、大きなストーリー展開はないのに印象に残る、荻原さんらしい、後味のいい読後感の一冊でした。
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