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人生とオムレツは、タイミングが大事
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 これまで、地球には、4度の氷河期があり、というか、実は、いまも氷河期の真っ最中、間氷期という、氷河期中の、暖かい時期なのだとか…。

 未婚の母から産まれ、父親がいないこと。(おそらくは)ハーフで、外見が独特であること。いわゆる田舎町に外から越してきた、いわゆる余所者であること。
 小さい頃からずっと、“普通”ではないことで、母を除いて周囲の人たちから、理不尽な扱いを受けてきた、ワタルという少年。
 そんな状況に起因したのか否か、自分自身でも、“普通”ではない部分を感じていて、やがて、11歳のときに、突然、気づいた、衝撃の“事実”。

 自分の父親は、クロマニョン人…。

 あまりに突拍子のない“事実”。でも、それくらい突拍子のないことでないと、ワタルは、自分に対する理不尽を消化しきれなかったかもしれません。
 父親がいないことで、心に大きな穴を抱えていたワタルは、「クロマニョン人の父」によって穴をうめるのですが、クロマニョンという言葉の、元々の意味は、「大きな穴」。穴で穴をうめることは、本当はできなくて、それでも、不定形の穴が定形になって、きっと、何かが入るきっかけにはなったはず。

 そして、サチという少女との出会い。
 自分の“特別”ゆえ内に向かいがちのワタルを外に引っ張り出す(「待てぇ~、クロマニオ~ン」(笑))明るさは、やがて、ワタルの原動力になります。

 紆余曲折を経ながら成長して、「クロマニョン人の父」から、だんだんと“親離れ”していくワタルの姿が胸を打ち、17歳11ヶ月にして、たどり着いたラストシーンに、胸がいっぱいになりました。

 読み終わった後、余韻を楽しみたくて、いくつかの場面を読み返していたら、また、入り込んでしまい、結局、最初から通して、再読。
 最近は、再読すること自体、あまり、ないのに、読み終わってすぐに読み返すなんて、いつ以来のことか。
 それだけ、自分の中に、確かな印象を残してくれた物語でした。
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