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人生とオムレツは、タイミングが大事
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 きたみりゅうじさんの、就職活動から入社、そして、クビ(!)になるまでを書いた、コミックエッセイです。

 「新卒はツラいよ!」とありますが、このきたみさんの場合、ツラかったのは、新卒だからという理由以上に、会社自体に、大きな要因があった気が…。
 ほのぼの絵柄でコーティングされてはいますが、会社がよこす理不尽と修羅場は、当時、相当にこたえたんじゃないかと。しまいには、3年半で「クビ」なわけだし。

 でも、というか、だから、というか、それを乗り越えた時に得られるもの(=成長、ひょっとしたら、おまけに昇給とか昇格とか)も、確かにあったりするわけで、どんなに無茶苦茶な状況でも、まずは、全力で立ち向かわなくてはいけないんだなあ、と。特に、若いうちは。
 って、もう、はるか彼方の記憶、自分の新卒の頃を思うと、自分で言ってて、耳が痛いのですが。
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 「ショージ君の養生訓」は、東海林さだおの膨大な数のエッセイから、健康にまつわるものを選んで収録したアンソロジー。
 古くは30年以上前のエッセイまで収録されていて、あらためて、東海林エッセイの偉大な歴史を思います。
 しかも、それだけ書かれた時期に開きのあるエッセイたちが、違和感なく一冊にまとまっていることも、すごい。
 文章もそうだけど、東海林さんの生き方というかスタンスが、ずっと、ぶれていないということなのでしょう。

 健康雑誌を読んでいろいろな健康法を試したり、入院に憧れて人間ドックを体験したり、もちろん、忘れちゃいけない食べ物の話は、そば屋の酒やどじょうや白湯(笑)まで。

 70歳を超えて、なお、数々の連載をこなし、仕事の合間には、草野球を楽しむ東海林さん。
 その東海林さんが語る養生訓なんだから、これはもう、効果がないわけはないですよね。
 荻原浩初めての短編集は、長編の様々な作風から想像される以上に、バラエティに富んだ作品集でした。
 ファンタジーあり、不気味あり、笑いあり、ブラックあり、短編ならではの仕掛けあり、もちろん、ハートウォーミングあり。

 表題作の「押入れのちよ」は、ちょっと(かなり?)ついてない青年と押入れに住みついた明治生まれの14歳の幽霊の話。
 途中はコミカル、最後でホロリの、短くても、しっかり、荻原ワールドの作品ですが、この作品をとっかかりに、中に入っていけば、そこに広がるのは、今までに見たことのない荻原ワールド。

 荻原浩が読めるのに、短編じゃもったいないと思ってたけど、まったくの考え違い。
 贅沢な一冊でした。
 この本は、くりぃむしちゅーの上田晋也と有田哲平が、普段の生活の中で発した「名言」の数々、ならびに、その名言が生まれた背景を記した本です。

 と書くと、なんだか、身も蓋もない感じですが、これが、やけに、面白い。
 そのまんま、ネタをみているかのごとくです。

 「今夜の星たちはかわいそうだな。地上にこんなにキレイな乙女座が輝いているんだもん」

 「お前らやまびこ打線か!」

 「先輩とか後輩とか関係ないから…、先輩が言ってんだから言うこと聞けよ!!」

 「あっ!」

 これらの名言が、どのようなシチュエーションで生まれたのか、ぜひとも、確認してもらいたいところです。

 注目はもうひとつ、名言誕生の瞬間を再現しているイラスト。ふたりの似顔絵が、異様なほど、そっくりなんですけど(笑)。
 どこにでもあるような家庭のどこにでもいるような主婦、曜子。
 彼女には、誰にも話していない過去がある。
 それは、少女の頃、祖父に引き取られ、アメリカで暮らしていたこと。
 そこで、銃の手ほどきを、徹底的に受けたこと。
 そして、その技術で、ただ一度だけ、大切な人を守るために、暗殺という仕事をしたこと…。
 消せない過去を抱えながら、それでも幸せに暮らしていたはずの曜子は、再び、銃をとる。大切な家族を守るために。

   - ☆ ・ ☆ ・ ☆ -

 暗殺というテーマに、暗く重い話になりはしないかと思っていたのですが、ホームドラマとハードボイルド、コミカルとシリアスが、うまくミックスされ、読み口は軽やか。
 主婦がスナイパーという設定も、荻原浩ならではのドラマ的リアリティの中で、すんなり、受け入れられました。
 主婦としての家族のこと、スナイパーとしての“仕事”のこと、それぞれが絡み合って、常に先が気になるストーリー展開ですが、人の命を奪うことで、曜子が背負ってしまったものの重さが、随所で胸をつき、決して、軽いばっかりの話ではありません。

 面白く読めて、読後感も良かったのですが、大切なもののために、いわば、自分を犠牲にしてしまう曜子に、もう少し、明るい救いが欲しかったような気もします。
 ただ、事情はどうであれ、人の命を奪っているのに、全てをクリアにして底抜けのハッピーエンドを用意する訳にはいかないというのが、きっと、荻原浩の見識で、それが、物語に、ひとつの筋を通しているのでしょう。
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[10/04 山手のドルフィン]


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