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人生とオムレツは、タイミングが大事
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 “御社のリストラ請け負います”
 そんなビジネス、あればいいのかよくないのか。ちょっと、考えてしまうけど、でも、本当は、考えるまでもなく、そんなビジネス成立しないって言い切れる世の中になってほしいものです。

 他社のリストラ、はっきりいえば“クビ切り”を請け負う会社で、リストラ候補者に対する面接官をつとめる青年。
 この短編集には、そんな、(おそらくは架空の)職業の主人公が、いろいろな会社のリストラに携わるなかで接する、いろいろなリストラ候補者たちがいます。
 百貨店、生命保険会社、消費者金融、ホテル…。
 中には、自分の関係していた職種もあって、興味深く読んだ反面、ひとごとには思えなかったりもして。
 リストラという局面にたたされた彼もしくは彼女たちは、そこで自分を見つめなおし、辞めるにせよ辞めないにせよ、リセットして、あらためて、自分の人生をすすんでいきます。その姿は、それぞれにたくましく、リストラが題材ながら、読み味はさわやか。

 ただ、実際には、会社を辞めて生きていくのは、お金とか家族とか、やはり、そう簡単なことではないし、リストラされてもしかたない社員も、中にはいるにせよ(この物語にもサンプル的に登場しますが)、そうでない人ですら、会社を辞めざるを得ない現実があります。
 会社だけが人生じゃない。たしかに、そんな理屈もあるかもしれないけど、リストラをされるって、綺麗事では語れない。

 でも。
 それでも、この物語は面白く読めたし、リストラは、会社でなく自分が再生する場なんだと、それが“おとぎ話”であっても、そんな風に信じてみたい気がします。
 そして、苦渋の決断でリストラを行う会社側にとっても、それは、いくばくかの救いになるのかもしれません。自己弁護にしてもらっては困るけど。

 この本の中で印象に残った一文があって、それは、
 「結局仕事とは、人間性なのだ。」
 なるほど確かに!、と、大きくうなづきつつ、さて、我が身を振り返ると(汗)…。
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 たまたま、某巨大ネット通販サイトのレビューを見たら、あまりに不評で、かえって、興味がわき、他に読みたい本があったのを後回しにして、こちらを読みました(笑)。
 さくらももことその友人で結成された、くだらない話をするため(だけ)の会、「男子の会」。その会の一員、植田さんが、あまりに不憫(?)で、その植田さんのために、「男子の会」が一丸となって、(なぜか)バリに焼きそば屋をつくってしまうという話。

 この本が不評である理由のひとつに、「男子の会」における、植田さんの、あまりにひどい言われ様やあまりにひどい扱われ様があるわけですが、こんな風に言われたり扱われたりしちゃう人って、確かにいますよね、ちょっと、かわいそうだけど。
 でも、それって、基本は、愛されているからだと思うのです。
 さすがに、マンションのローンがあるなら自己破産すればいいっていうのは、ネタにしてはブラックだし(ネタ…ですよね?)、到着したバリの空港でいつまでも荷物がでてこない植田さんに、“新しいの買ってあげるから荷物は捨てて行け”と言い放つのも、どうかとは思うのだけど。

 他愛のないおしゃべりから、本当に、バリに焼きそば屋をつくっちゃうのは、大人のお遊びとして、面白いと思いました。
 ただ、こういうのって、くだらないことに真剣に苦労する顛末が面白いのであって、いや、苦労してないわけじゃないんだろうけど(あえて、書いてない部分もあるだろうし)、現れた“サポーター”の力が、あまりに大きくて、正直、拍子抜けの感は否めなかったかな、と。

 なにはともあれ、植田さん本人の好むと好まざるとにかかわらず(むしろ、好んではいなかった(笑))、オープンした「焼きそばうえだ」。
 きっと、今日も、バリの青空の下、そばは焼かれているのです。植田さんの好むと好まざるとにかかわらず(笑)。
 さくらももこさんの、“ちびまる子ちゃん”の頃を過ぎた中学生から、高校を経て、“さくらももこ”になるまでの青春記。

 その青春の日々は、ダラダラ過ごす夏休みや、典型的なユーレイ部員で文化祭さえもスルーした部活動や、あまりといえばあまりの自己完結な片想いや、熱血とか情熱とは、一切、真逆。青春なんて、案外、そんなもんです。
 それが、“案外、そんなもん”じゃなくなるのが、漫画に取り組んでから。
 家族や親戚に、やめた方がいいと言われても、

「素直にやめたとしても、誰も私の人生の責任なんてとってくれない。他の人の人生じゃない、私の人生なんだ、と誰かに何か言われるたびに強く思った。」

 さくらさんの“案外、そんなもん”だった時期は、エネルギーをためる時期だったのかもしれません。競馬でいうなら、見事な、後方一気。
 のん気に過ごしていながらも、思いは、あくまで、一途でした。

 ちなみに、自分の学生時代も、“案外、そんなもん”。でも、たまったはずのエネルギーはどこへやら、こちらは、競馬でいうところの、後方まま、なのでした…。
 男なら、何かひとつくらい「偉業」を達成したい。
 そんな切なる想いを抱いて、東海林さんがチャレンジしたのは、「立ち食いそば屋メニュー全制覇」。

 これだけの大偉業への挑戦となれば、1回のエッセイにおさまるわけもなく、その顛末は、6回を費やす大長編。
 このエッセイ、確か、月刊誌で連載されているはずで、ということは、立ち食いそばでそばを食べる話を、半年間にわたって続けていたということになるわけで、立ち食いそばも偉いけど、東海林さんもえらい(笑)。
 おまけに、東海林さんが偉業達成をめざして通った立ち食いそばの店「富士そば」の社長との対談まであって、東海林さんの立ち食いそばに対する、並々ならぬ愛情があふれています。

 もちろん、立ち食いそばの話ばかりではなく、1泊2日駅弁24種を食べる旅や、いや、食べてばっかりではなく、偽装温泉問題(ありましたねぇ)真っ只中のホテルで温泉に入ってみたり、はたまた、言語の深淵に迫ったり。
 東海林さんの好奇心・探求心は幅広く、尽きることがないのです。
 藤田伸二という騎手は、自分にとって、好きか嫌いかどちらかを選べといわれたら、後者を選んでしまう騎手で(汗)、「恫喝」などという言葉を付して語られているのを聞くと、ちょっと、引いてしまったりするのです。
 もちろん、本人に恫喝されたことがあるわけではなく(当たり前か)、聞こえてくる話のイメージだけで判断するのは良くないと思うのですが、目に見える風貌とか行動とかが、イメージどおりなので…、ね(笑)。

 そんな藤田騎手の書いた「特別模範男」は、自身について、体制(=JRA)に対して、とことん、ストレート。その小気味よさは、さすがです。

 書かれたすべてに賛同できるというわけではないけれど、印象に残った一文があります。
 ある日のこと。レース後、ウイナーズサークルで、ファンにサインを続ける藤田騎手を、“次のレースがあるので、そろそろ…”と、制止に来たJRA職員。それに対して、“レースの時間くらいわかってる”と憤る藤田騎手。
 JRAの職員も、レースを円滑に進めるのが仕事なんだから、それに対して怒るのはどんなものかと思って読んでいたら、
 「まずはファンに謝ってからストップかけろや」
 これには、正直、感動しました。

 藤田騎手のファンに対する熱い思いは、ブログでも、いかんなく、発揮されていて、そのなかで、最近、驚いたのが、これ
 ファンが興味をもっているのは、プレーだけじゃない。そんなファンの本音を、よくわかっています(笑)。

 この「特別模範男」で、藤田伸二という騎手は、自分にとって、好きか嫌いかどちらかを選べといわれたら、前者…になったかどうかは微妙だけど、“抵抗”はなくなりました。有馬記念で、セイウンワンダーに乗ってくれたしね(笑)。
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[10/04 山手のドルフィン]


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